今回はタイトル通り、ちょっと語ります。
キュレーションサイト(いかがでした?系のアレ)が根拠のないコピペ記事をあまりにも量産しているので、我慢ならなくなりました。
長くなりそうなので最初に結論を書きます。

「キスの場所には22の意味がある」と、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
あれらはこちらのサイトの↓

『キスの場所で22のお題』

が元ネタです。

そう。
元々創作なのです。

なお、作者様は出典の掲載の義務はないよ、と仰っておりますが、一部例外が記載されています。



 ※オフラインでの使用について
 出版物(一次創作・二次創作問わず)にて使用する場合のみ、出典元としてURLの明記をお願い致します。





使用報告は義務ではないみたいですが、はたしてこの一文は今も守られているのであろうか……。


結論を最初に語ったところで、なぜこのような広まり方になってしまったのか考察します。

まず、作者様がこのお題を作ったのが、2006年6月20日である――と記載されています。
当時はTwitterもpixivも存在しておらず、創作は個人サイトで行われておりました。
うん、私もやってたものでな……。
おそらく当時の個人サイトを持っていた方に、じわじわと使用されていた――というのが実態だと思います。

ですがその後SNSが台頭してきて、創作物の発表の場は個人サイトからこれらに移っていきました。

で、pixivでテンプレートが作られます。
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=19117210

pixiv内でもっとも古いこちらのテンプレート、2011年5月24日に掲載されております。
その説明欄には、「ついったーで回ってきて」とありますので、これより前にtwitterで回ったのでしょう。
(ちなみに日本でTwitterが開始されたのは2008年の4月です。念のため検索してみたのですが、何せ古いので該当ツイートは探せませんでした……)

ここでそこそこpixiv内で拡散され広まりますが、テンプレートの作者様はツイッター経由なので、当然お題サイトについては何の記載もありません。
なおこちらのテンプレートですが、フランツ・グリルパルツァーの詩『接吻』と混ざっております。



手なら尊敬
額なら友情
頬なら厚意
唇なら愛情
瞼なら憧れ
掌なら懇願
腕と首は欲望
それ以外は狂気の沙汰

フランツ・グリルパルツァー「接吻」(1819)


(※注 訳によって詩の言い回しが異なります)

Twitterに掲載した人が混ぜたか、混ぜた物を掲載していた創作サイトから、Twitterに転載(おそらく無断で)したのだと推測します。
たぶん最初にTwitterに書いた人、元ネタわかってなかったんじゃないかなと思うのですよね……。



そしてほぼ1年後の2012年5月18日に、今度はこちらのテンプレートが掲載されます。
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=27336280

こちらがイメレスにより、より爆発的に広がりました。
そしてこの説明欄にも「ツイッターで流れてきて」とありますので、「キスの場所に意味がある」系のつぶやきは、定期的にぷちバズっていたのだろうと推測します。
やはり元ネタの存在を知らないのか、『キスの場所で22のお題』サイトに関することはこちらにも書かれておりません。


ですが、お題の作者様は「創作物に制限をかけても仕方ない」ということで、基本的にはフリーですよ、と大変におおらかな姿勢でいらっしゃいます。
一次二次問わず色々なカップリングに当てはめられるので、小説やイラストなど、様々な媒体で想像が膨らみますもんね。
だからこそ、ここまで広まったのでしょう。



しかし。
Twitter経由で知った『創作をしない一般人』にまで広がってしまったことが、出典サイトがさらにわからなくなる要因となってしまいます。

キュレーションサイトの登場です。

したり顔で語っているこれらのサイトの記事は、お題が作られる2006年以前どころか、pixivのテンプレートが作られた2011年以前にも存在していなかったと断言できます。
どうしてそう言えるのかって?
小説を書くために、昔それ系の文面を検索しまくっていたんですよ私!
ちょうど2011年頃に!
昔はあんなサイトで検索上位が汚染されてなかったし!
検索したら一番上にお題サイトも出てきてたし、グリルパルツァーの詩も上位に出てきていたんですよ! それが!(ダンダン)←地団駄
何が隠された男性心理じゃ!
その根拠を示せぇい!!!

…………。
失礼。ちょっと興奮しすぎました。

(なお、その時書いていた小説はこちら↓(すかさず宣伝していくスタイル)ちょっと懐かしい雰囲気のファンタジーものです、はい)
 https://ncode.syosetu.com/n3548cx/


この件に関わらず、様々な事柄がこのキュレーションサイトに検索上位を汚染されています。
しかもこれら、お互いにお互いをコピペ(+ちょっとだけ改変)しているのが透けて見えてセコいのなんの。
ネットに転がっているネタだけを下地に盗作(もうハッキリこう言います)しているので、当然参考にした文献など書かれていません。

2016年に『ウェルク』という医療系キュレーションサイトが削除されたことを覚えている人もいるかと思いますが、キュレーションサイトは未だにポコポコ存在していて、現在も野放しな状態です。
本当にもう、許さないからな……。
というか、あの手のサイト消滅しないかな……。



ここまで一般人にも広まってしまったら、「キスの場所に意味がある」はもう新たな文化になってしまった気もします。

ちなみに、出典を知らずにこのpixivのテンプレートを作った方や、テンプレートで作られた創作物を貶める意図は毛頭ありません。
みんなじゃんじゃん妄想しよう(´∀`*)
(作者様が著作権を放棄していない以上、同人誌に使用する場合は出典は明記しておいた方が良いのではないかなぁ……と、一創作者としては思っておりますが……)

私が許せないのはキュレーションサイトです。

作者様の「創作物に制限をかけるべきではない」という厚意を、まったく別の方向から無碍に扱っている気がしてな……。
そういうわけで、今回この記事を書きました。
創作をしない方に届く可能性は低いですが……。
それでも、小さな声でも上げておいた方がいいかなと思った次第です。



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2018.12.17